永年感想

永年勤続授賞者感想文　97/08/20

入社年月日: 昭和４７年４月１日

所属　: 東京支店土木部

平成９年５月２１日付けで東京支店

建築部工事課（海外）より転勤

氏名　: 松井清

使用ソフト： LOTUS 1-2-3 R23J

題名　: LOTUS 1-2-3との出会い

荒井主任のスリランカマハベリシステムＣプロ

ジェクトでの勤務がすでに３年間経過したという

ことで、帰国させるために彼の後任者に選ばれ昭

和６１年の４月よりスリランカのジャングルの中

に単身赴任させられました。前任者の荒井主任は

事務処理に関してたいへんすぐれた能力をもって

おられて、膨大な書類ももっぱらコクヨの集計用

紙を駆使して一人でこなしており、彼の方式を全

て引継ぎ作業を進めていましたが、私の能力では

どんなに頑張っても荒井主任のようなスピードで

事務処理を進めることが不可能であるということ

を思い知らされ、これから先過ごさなければなら

ないジャングルでの長い生活のことを思い悩みな

がら過ごしていました。どうしたら荒井主任のよ

うに手早く膨大な書類を処理できるだろう。しか

も出来る限り時間をかけずに。

私が赴任した当時、すでにプロジェクトの赤字

はほぼ決定的なものとなっていて、赤字を少しで

も解消すべく企業者に対するクレーム作業の全盛

期でした。現地事務所でも頻繁に会議が開かれ

どうしてこの膨大な赤字を少しでも減らすことが

できるか毎日検討していましたが、その一環とし

て経費のかかる日本人を帰国させて、その代わり

に経費の安い第三国人を採用する等の作戦を進め

ました。当時４人のタイ人の技師を採用して現地

で施工管理にあたらせていましたが、そのうちの

一名は現在でも、私がタイの戸田建設の事務所を

紹介して採用されたのでそこで勤務しています。

私は社内の英語研修のときに英文タイプのブラ

インドタッチをマスターしており、エプソンのワ

ープロを使用して事務処理の能率をあげるべく努

力はしていましたが、所詮ワープロですので計算

ができず、たいした事務処理の能率の向上に結び

つきはしませんでした。

当時事務所に古いアップルのパソコンが一台あ

り、表計算のソフトが添付されていましたが運用

されておらず、もっぱらベーシック言語によりプ

ログラムを組んで使用していましたが能率の悪い

ものでした。この表計算のソフトを操作している

うちに、これで事務処理を飛躍的に向上させるこ

とができることを確信し、会議でパソコン、プリ

ンターおよび表計算ソフトのセットを日本より早

急に現場に配置してもらうようにお願いしたとこ

ろ、間組の所長は快く私の願いをかなえてくれた

ばかりでなく、間組本社の電算室の専門家を約２

カ月間現地に派遣してくれ表計算ソフトウェアー

の使用方法につき専門的に教育してくれました。

そのときに使用したソフトウェアーがLOTUS

1-2-3でした。私は実はアップルのほうを期待し

ていましたが、LOTUS 1-2-3 で本当によかったと

今思っています。（その後このソフトウェアーは

その優秀な機能と操作性により日本国内において

も爆発的なヒット商品となりました）

日本で最も初期のバージョンの LOTUS 1-2-3でし

たが、事務能力は飛躍的に向上し、私は覚えた技

術を現地の技師にも引継ぎ、膨大なデータはもっ

ぱら彼らに打ち込ませて私は打ち込まれたデータ

を処理してクレームの書類を作成したりしていま

した。現地の技師にパソコンへのデータ入力作業

を専属で行わせるようにした結果、パソコンが不

足し、すぐにもう１台日本より現地に送ってもら

い２台で作業を進めました。その結果、通常の事

務処理に関しては時間外をほとんどせずに処理で

きるようになりました。

その後帰国しても当時は表計算ソフトを使用し

ている人はまだ少なくて、しばらくは国内の現場

の事務処理でも楽をしましたが、そのうちパソコ

ンの威力を会社が知るようになり、最近ではパソ

コンを使用してもそれほど時間が余ってこなくな

ってきています。また最近ではLOTUS 1-2-3より

もMICRO SOFT社のEXCELのほうが特に若い人の間

では主流のようです。LOTUS 1-2-3の DOS

VERSION で育った人間としては少々淋しい気がす

る今日この頃です。

最後に、この２５年間お世話になった方々へ感

謝の合掌をします。ありがとうございました。